記事紹介
元記事:虚拟主播:二次元、粉丝文化和数字技术共造的新偶像
ソース:中国のオンラインニュースメディア・澎湃新聞
記事の要約
記事では、いわゆる「VTuber(Virtual YouTuber)」と呼ばれる存在が、どのようにして誕生し、どのような特徴を持ち、そしてどのような文化・経済的文脈の中で発展してきたかが多角的に解説されています。
VTuberは、初音ミクのようなバーチャル歌姫と違って「中の人」がリアルタイムで配信することで、より強いインタラクティブ性とライブ感を持つ新しいタイプのバーチャルアイドルです。
その起源は2016年末の「キズナアイ」にあり、2017年には「ときのそら」がデビューして配信を主軸にしたVTuberのスタイルが確立されました。さらに2018年には「にじさんじ」と「ホロライブ」が登場し、業界が本格的に成長を始めます。
中国ではBilibiliで活動するVTuberを「VUP」と呼びますが、ホロライブがいち早く中国市場に進出したことで、現在では中国において圧倒的な影響力を持つ存在になっています。
VTuberはただの配信者ではなく、「萌え要素のデータベース」や「ファン文化」「二次創作」など、ACGN文化の中核的な概念と深く結びついています。
しかし業界の急拡大に伴い、「光速毕业(デビュー直後の引退)」や「審美疲労」などの課題も表面化しています。
それでもVTuberは、外見の美しさやスキャンダルリスクの低さ、視聴者との「共に成長する関係性」など、多くの魅力を備えており、今後も大きな可能性を秘めた新しい偶像文化だと記事は締めくくっています。
感想
VTuberという存在が、ここまで文化的・経済的に多面的な意味を持っていることに驚きました。
個人的に印象に残ったのは、「中の人」が実在することによって、VTuberが「仮想」でありながら「リアル」に感じられるという点です。
また、記事内で紹介されていた神楽七奈というVTuberは、自分でキャラクターのデザインまで手がけていて、ファンからの二次創作も非常に活発とのこと。こうした「創る側」と「応援する側」が混ざり合う構造は、まさに現代のネット文化ならではのものだと感じました。
一方で、「光速毕业」や「業界の過剰競争」「ファンの疲れ」など、VTuberブームの裏にある課題にも目を向ける必要があります。
今後、どのような形でこの文化が成熟していくのか注目していきたいと思います。
VTuber業界用語の解説
VTuber(虚拟主播)
虚拟主播は、3DやLive2Dのキャラクターを用いて活動する配信者のことです。
補足:中国語圏では虚拟主播、あるいは虚拟偶像(バーチャルアイドル)という表現も使われます。
VUP(虚拟UP主)
虚拟UP主は、Bilibiliなど中国の動画サイトで活動するVTuberを指す言葉です。「UP主(アップ主)」は投稿者全般を意味し、「虚拟UP主」は仮想の投稿者という意味になります。
中之人
中之人は、VTuberなどのバーチャルキャラクターを演じる実在の人物を指します。日本語の「中の人」とほぼ同じ使い方です。
饭圈(ファン文化圏)
饭圈は、「ファンコミュニティ」「アイドルオタク文化圏」を指す中国ネット用語です。「饭」は「ファン(fan)」の音訳で、「圈」はグループを表します。
光速毕业
光速毕业は、VTuberがデビュー直後に活動を終了する現象を指すネットスラングです。「毕业」は中国で芸能人が活動終了する際に使われる表現です。
中国語表現の解説
不言而喻
不言而喻:「言うまでもない」という意味。説明しなくても明らかなことに使われます。例:「其虚拟性不言而喻(そのバーチャル性は言うまでもない)」
占得先机
占得先机:「先手を取る」「先行優位を得る」という意味。商戦や競争の文脈で使われます。
一家独大
一家独大:「一人勝ち」「独占状態」。一つの勢力が支配的な存在となっていることを表します。
审美疲劳
审美疲劳:「視覚的な飽き」「マンネリ化」。同じようなコンテンツが続き、視聴者が飽きてしまう状況を指します。
管理人のひとこと
このようにVTuber文化は、技術とファン文化が融合した独特の存在です。中国語で学ぶことで、その背景や用語もより深く理解できるようになります。今後もこうしたニュースを通じて、中国語とエンタメの両方を楽しく学んでいきましょう。
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